談話会・講演会
第13回グリーン元素談話会
日時 2012年5月24日(木)16:45〜 (講演時間 各演題 25〜30分程度)
場所 21531教室(15号館3階)

プログラム
講演者:
森 嘉久(理学部・基礎理学科)
窪木 厚人(理学部・生物化学科)

世話人:林 謙一郎(理学部・生物化学科)

講演要旨

森 嘉久(理学部・基礎理学科)

【シリサイド系熱電材料の高圧合成とその物性】
 省エネルギーを実現するために自然エネルギーを最大限に活用することが重要視されているが、それと同様に廃エネルギーをいかに減らすかということも重要である。特に熱エネルギーは最も下等なエネルギー形態で、工場や発電などの産業界だけでなく車などの熱機関を使用することで日常の生活からも多くの廃熱エネルギーを排出している。当研究室ではその廃熱エネルギーを高効率で回収できる熱電材料の研究・開発を行っている。近年特に注目されている熱電材料の1つはMg2Siで、その構成元素のクラーク指数や人体に対する有害性の観点から、環境にやさしい熱電材料として高評価を得ている。しかしながらその基礎物性や合成法などは未だに発展途上段階であり、課題も山積してる。我々はこれまで高圧技術を活用してその課題に対して取り組んでおり、ゼーベック係数の温度依存性において圧力効果により向上する結果が得られた。その伝導メカニズムを構造の面から明らかにするために放射光施設を利用した共同利用実験も行っており、その物性評価法などについても紹介する。

窪木 厚人(理学部・生物化学科)

【酵素を用いたケイ素中心不斉を有する化合物の合成】
 ケイ素は有機ケイ素化合物中において4価であり、四面体構造をとることから同族元素の炭素同様に不斉中心となりうる。一方、有機ケイ素化合物は有機合成化学において水酸基の保護や種々の変換反応に用いられているが、それらを不斉合成に利用する場合、ケイ素自体の不斉ではなくケイ素近辺の炭素不斉中心が不斉源となることが多い。これはケイ素不斉中心を有する有機ケイ素化合物の供給に課題があるためである。
 今回、ケイ素不斉中心の構築法として、プロキラルなケイ素を含む化合物に対する酵素反応を利用した非対称化について検討した結果を報告する。また、得られた化合物をC1ユニットとして利用した際の不斉の転写や光学純度の決定といった機能に関する検討についても報告する。
第12回グリーン元素談話会
日時 2012年4月26日(木)16:45〜 (講演時間 各演題 25〜30分程度)
場所 21531教室(15号館3階)

プログラム
講演者:
岩永 哲夫(理学部・化学科)
山口 悟(理学部・臨床生命科学科)

世話人:林 謙一郎(理学部・生物化学科)

講演要旨

岩永 哲夫(理学部・化学科)

【機能性材料を目指した芳香族ビスイミド化合物の合成研究】
芳香族ビスイミド類は熱安定性や蛍光特性から機能性材料のコアユニットとして広く利用されている。特にナフタレンやペリレンなどの縮合系芳香環をコアに持つ化合物は、大きなπ電子系由来による優れた電子・光学的特性を示すことが知られている。これまでに我々はペリレンビスイミド骨格にアントラセンユニットを導入した誘導体を合成し、光誘起電子移動による消光現象について明らかにしてきた。今回、新たにアントラセンビスイミドのアントラセン環にエチニル基を導入した化合物の合成を行い、その分光学的挙動について明らかにしたので報告する。また固体状態で蛍光特性を示したので、固体発光に関してもあわせて報告する予定である。

山口 悟(理学部・臨床生命科学科)

【生体膜に関与する生体高分子の構造解析 分子分光法の応用】
分子分光法は生体高分子の高次構造を解析する為に今や欠かせないツールである。しかし、完璧な分光法は存在しない。その特徴をつかんだ利用が求められる。本講演では固体NMR分光法、振動分光法を利用した構造解析を紹介する。マジックアングルスピニング(MAS)を用いた固体NMR分光法は試料の分子量に制限がない。膜蛋白質は見かけの分子量が巨大になりすぎて構造解析が困難であった。今回は固体NMRを用いた光受容膜蛋白質であるバクテリオロドプシンの構造解析について報告する。さらに生体防御に関与する抗菌ペプチドをガラス板の上に一軸配向させた試料を静止固体NMR分光法を用いて解析した例も紹介する。共に固体NMRの特徴をシャープに生かした研究である。さらに、振動分光を使った構造解析も合わせて紹介する。
第7回岡山理科大学グリーン元素科学シンポジウム
日時 2012年3月10日(土)13:30〜17:00
会場 岡山理科大学 50周年会館4階多目的ホール

ポスター(PDF)

プログラム

開会挨拶 13:30〜13:35

13:35〜14:05
「サケ白子DNAを用いた機能性素材の創製」
 山田 真路(理学部化学科准教授)

14:05〜14:35
「芳香族炭素−水素結合の触媒的な直接官能基化反応」
 岩崎 真之 先生(岡山大学大学院 自然科学研究科助教)

14:35〜14:55
休憩

14:55〜15:55
「高選択的分子吸着を示す多孔性配位高分子の設計」
 松田 亮太郎 先生(科学技術振興機構ERATO北川統合細孔プロジェクト グループリーダー)

15:55〜16:55
「金属ラジカル種による高効率反応の開発」
 柳 日馨 先生(大阪府立大学大学院 理学研究科教授)

閉会挨拶 16:55〜17:00

連絡先:森重 國光(岡山理科大学)
第11回グリーン元素談話会
日時 2011年11月24日(木)17:00〜 (講演時間 各演題 25〜30分程度)
場所 21531教室(15号館)

プログラム
講演者:
赤司 治夫(自然科学研究所)
松浦 信康(理学部・臨床生命科学科)

世話人:林 謙一郎(理学部・生物化学科)

講演要旨

赤司 治夫(自然科学研究所)

【遷移金属カルコゲニド錯体を利用したハイブリッド材料の創出】
これまでに我々は、金属‐硫黄結合を骨格内に多く含んだMo3MS4骨格(M= Fe、Co、Ni、Cu、Rh、Pd、In、Sn、Ir、Pt、Hgなど)をもつ混合金属スルフィド錯体の合理的合成法を確立してきた。一連の研究の中で、我々は、硫黄架橋キュバン型Mo3PdS4骨格をもつヒドロトリスピラゾリルボレート(= Tp)錯体が、有機合成の分子内環化反応の触媒として非常に高い触媒活性を示すことを報告した。
今回、パラジウムを銅に置き換えたMo3CuS4Tp錯体が、Mo3PdS4Tp錯体と同様に高い触媒活性をもつことが明らかになった。元素戦略的観点から希少金属を汎用金属に置き換えた触媒の開発は世界中で行われているが、汎用金属を含む混合金属錯体を有機合成反応の触媒に応用した研究例は非常に限られており、これらの研究が、触媒開発の新機軸になる可能性を検討した。

松浦 信康(理学部・臨床生命科学科)

【生活習慣病予防および治療を目的とした核内受容体PPARsを制御する天然物質の探索】
現在の治療薬開発は、細胞内分子標的を制御する化合物の創製が主流となってきた。生活習慣病(高脂血症、肥満、インスリン抵抗性:糖尿病)予防および治療薬開発においても同様である。ここで核内受容体PPARs (Peroxisome Proliferator Activated Receptors) は、α、β/δおよびγの3つのisoformが知られており、それらアゴニストは、上述生活習慣病治療において極めて重要な役割を果たしている。そこで我々の研究室で現在進めている、天然資源からのPPARsアゴニスト探索およびその機能解明の結果について紹介する。
第6回岡山理科大学グリーン元素科学シンポジウム(国際シンポジウム)
6th Green Elements Science Symposium (International Symposium)
日時 2011年12月3日(土)9:55〜16:35
会場 ピュアリティまきび(岡山市北区下石井2-6-41)

ポスター(PDF)

Program

9:55-10:00
Opening Remarks

10:00-10:40
Akihiro Orita (Okayama University of Science)
“Synthesis of Aromatic Acetylenes for Organic Photonics and Electronics Materials”

10:40-11:40
Masaki Shimizu (Kyoto University)
“Silicon-bridged Biaryls: Molecular Design, New Synthesis, and Luminescence Control”

11:40-13:10
Lunch

13:10-13:40
Shinji Toyota (Okayama University of Science)
“Construction of Novel Molecular Architectures from π-Conjugated Hydrocarbon Units”

13:40-14:40
Shih-Yuan Liu (University of Oregon)
“Developing The Basic Science and Applications of Boron(B)-Nitrogen(N) Containing Heterocycles”

14:40-15:00
Coffee Break

15:00-15:30
Ken-ichiro Hayashi (Okayama University of Science)
“Molecular Design of Auxin Antagonists Specific for TIR1/AFB Auxin Receptor”

15:30-16:30
Klaus Jurkschat (University of Dortmund)
“Metal Derivatives of Ethanol Amines: From Academic Curiosity to Industrial Application”

16:30-16:35
Closing Remarks

Contact: Kunimitsu Morishige (Okayama Univ. Sci.) Tel 086-256-9494
平成23年度第2回グリーン元素講演会
日時 2011年10月28日(金)11:00〜12:00
場所 22号館2階会議室

講演者  Professor James Darkwa
     (Department of Chemistry, University of Johannesburg)
題目  "New Pyrazolyl and Phosphino Gold Complexes as Potential Anti-cancer and Anti-HIV Agents"

要旨
Gold has over the centuries been seen as a metal that has therapeutic properties, but it was not until it was found to form phosphino complexes that are active against arthritis and rheumatism that its complexes were systematically investigated as potential drugs. This has lead to several compounds with anticancer activity. We have prepared several gold(I) phosphino complexes that show interesting anticancer and anti-HIV activity as part of a project that seek to find new uses of gold.
Our initial attempt to make gold complexes was focused on making gold(III) anti cancer agents, driven primarily by the fact that gold(III) is isoelectronic with platinum(II), the metal centre in cisplatin. With pyrazolyl we were able to prepare a number of gold(III) complexes. However, phosphine ligands invariably reduced the gold(III) starting materials to gold(I). Both types of complexes have significant activity against several cancer cell lines, with two of these compounds extremely active and selective towards HeLa cancer cells. Some of these gold complexes are also active against HIV-1. The presentation will give insights into the synthesis and anticancer activity of these complexes and how these compounds could be developed further.

連絡先:岡山理科大学自然科学研究所 赤司治夫
第10回グリーン元素談話会
日時 2011年10月12日(水)17:00〜 (講演時間 各演題 25〜30分程度)
場所 21531教室

プログラム
講演者:
横山 崇(理学物・化学科)
山田 真路(理学部・化学科)

世話人:林 謙一郎(理学部・生物化学科)

講演要旨

横山 崇(理学物・化学科)

【キャピラリー電気泳動法による炭素微粒子の粒径分離】
炭素微粒子は、植物や合成高分子等の焼成により合成され、炭素製品の原料となっているが、炭素微粒子のサイズ、形、微粒子中の不純物等が製品の特性に影響を与えている。一方、キャピラリー電気泳動法(CE)は、内径100 μm以下のキャピラリー管中で発生する電気浸透流を駆動力とした分離能が高い流れ分析法であり、近年、金属ナノ粒子の粒径の分離等に用いられるようになってきたが、炭素微粒子に適用された例はほとんどない。また、微粒子の形の違いによる分離挙動や微粒子中の不純物の影響による微粒子の分離挙動などは未だ明らかにされていない。そこで今回、これらを明らかにするために行っているCEを用いた炭素微粒子の粒径分離の研究概要について紹介する。

山田 真路(理学部・化学科)

【生物資源を用いた環境浄化剤の開発】
未使用海産資源の有効利用という観点から、サケ白子由来二重らせんDNAを環境材料や電子材料等の機能性材料として利用することが考えられている。近年、我々は二重らせんDNAの有機物としてのしなやかさと無機物の強さを有したDNA-無機ハイブリッド体を報告した。このDNA-無機ハイブリッド体はダイオキシンやPCB等の平面構造を有する有害物質を選択的に捕捉する機能を有していた。そこで、DNA-無機ハイブリッド体の新規な利用方法としてDNAによる水中からの重金属イオンの除去を試みた。その結果、ハイブリッド体は重金属イオンを選択的に捕捉する機能を有していた。当日は、ハイブリッド体を用いた水中からのレアメタルイオンの回収に関しても報告する予定である。
第5回岡山理科大学グリーン元素科学シンポジウム
ミニ国際シンポジウム —Chemistry & Biology in Plant Growth Regulation—
共催 岡山ケミカルバイオロジー研究会
日時 2011年8月22日(月)10:30〜
会場 岡山理科大学24号館3階 大会議室

ポスター(PDF)

Program

10:30-11:20
Mechanisms of auxin action in flower initiation and floral organ patterning
Prof. Yunde Zhao (University of California San Diego)

11:30-12:20
The main auxin biosynthesis pathway in plants
Dr. Hiroyuki Kasahara (Plant Science Center, Riken)

13:40-14:20
Chemical probe for auxin biology
Prof. Ken-ichiro Hayashi (Okayama University of Science)

14:30-15:10
A high-throughput screening assay of chemical compounds to dissect
Resistance-gene mediated disease resistance responses in Arabidopsis thaliana
Dr. Yoshiteru Noutoshi (Okayama University)
第9回グリーン元素談話会
日時 2011年6月22日(水)16:45〜 (講演時間 各演題 25〜30分程度)
場所 21531教室

プログラム
講演者:
財部 健一(理学部・基礎理学科)
若松 寛(理学部・化学科)

世話人:林 謙一郎(理学部・生物化学科)

講演要旨

財部 健一(理学部・基礎理学科)

【硬質性窒化炭素合成へのチャレンジ】
窒化炭素化合物の中でCとNの比が3:4を有するものにはダイヤモンドを超える硬質性が理論的に期待されているものがある。この硬質性窒化炭素の合成研究に関する本研究室の取り組みの現状を紹介する。また、この研究には、グラファイト6員環をヘテロアトムで置き換えるポストグラファイトを利用している点という興味もある。

若松 寛(理学部・化学科)

【計算化学による有機反応の位置選択性および吸収スペクトルの予測】
最近の目覚ましい演算性能の向上により、Gaussian等のプログラムを用いて得られる計算化学的知見は分子設計を行う上でも必要不可欠なものとなりつつある。今回は以下の2つのテーマについて報告する。
(1) 単糖類(グルコース、ガラクトース)の水酸基への保護基の導入がジアルキルスズオキシドにより位置選択的に起こる機構の検討:糖とジアルキルスズオキシドの反応で生じるジアルキルスズジアルコキシドは二量化を起こしやすい。各種二量体間のエネルギーを比較し位置選択性との関連について検討した。
(2) 高精度計算法によるポリアセン類、ポリエン類、ポリイン類の吸収スペクトルの予測:最近広く利用されるようになったTDDFT法では一般に可視領域の励起エネルギーの再現性が悪い(低め=長波長側に出る)。標題化合物群についてSAC-CI法やLC法などの新しい手法を適用した結果について報告する。
平成23年度第1回グリーン元素講演会
日時 2011年6月17日(金)15:30〜17:00
場所 25号館4階22544講義室

講演者  宮浦 憲夫 先生
     (北海道大学特任教授,岡山理科大学 倉敷芸術科学大学客員教授)
題目  「鈴木カップリング反応との出会いと展開」
第8回グリーン元素談話会
日時 2011年4月22日(金)16:45〜 (講演時間 各演題 25〜30分程度)
場所 21531教室

プログラム
講演者:
竹崎 誠(工学部・バイオ・応用化学科)
米田 稔(理学部・応用物理学科)

世話人:林 謙一郎(理学部・生物化学科)

講演要旨

竹崎 誠(工学部・バイオ・応用化学科)

【ミセルや金属ナノ粒子存在下での蛍光測定】
界面活性剤からなるミセルやベシクルでの電子移動や二量化反応は細胞膜モデルでの化学反応だけでなく、2次元2分子反応としても重要である。陽イオン性ミセル表面上での陰イオン性ピレンモノマー蛍光のモノマーによる消光(エキシマー形成) 反応およびエキシマー消光反応の界面活性剤のアルキル鎖長依存性を調べた。アルキル鎖長が長くなるにつれて、エキシマー形成および消光反応は遅くなることを見出した。ミセル表面上での陰イオン性ピレンエキシマーの形成および消光反応について紹介する。つぎに、金ナノ粒子近傍では光電場を増強することが知られている。陽イオン性界面活性剤保護三角板状金ナノ粒子での光電場増強を目指して行った結果等も紹介する。

米田 稔(理学部・応用物理学科)

【自己形成半導体量子ドットの成長と光学的特性について】
ナノ構造を利用して電子波、電磁波や電子スピンを思いのままに制御することにより、高性能・低消費電力のデバイスの実現が期待されています。ナノ構造の一つである量子ドットは、キャリアの状態密度がエネルギーに対してデルタ関数的に完全に離散化することを利用して、高効率レーザーとしての応用に期待されています。一方、自己形成による量子ナノ構造作製は、簡易な手順で極微細な構造を作製できる利点がある反面、自然の力を利用しているため、その制御は容易ではなく、所望の構造が思うように実現できないという大きな問題が存在しています。ここでは、分子線エピタキシャル法を用いてCdSe/ZnSe自己形成量子ドットならびその多重量子構造の作成と光学的評価にて紹介します。
第4回岡山理科大学グリーン元素科学シンポジウム
日時 2011年2月4日(金)10:00〜17:00
会場 岡山理科大学十学舎5階11051教室

ポスター(PDF)

プログラム

開会の辞 10:00〜10:10 森重 國光(事業代表者)

講演

10:10〜10:40
「DNAを用いた環境調和材料の創製」
 山田 真路(理学部化学科准教授)

10:40〜11:40
「糸状菌の高機能ジテルペン合成酵素」
 豊増 知伸 先生(山形大学農学部生物資源学科准教授)

11:50〜12:20
「層状遷移金属ダイカルコゲナイドの合成、構造と性質」
 坂根 弦太(理学部化学科准教授)

13:50〜14:20
「電子ドナーユニットを組み込んだ芳香族ビスイミド誘導体の合成と物性」
 岩永 哲夫(理学部化学科助教)

14:20〜15:20
「特性向上を指向した新規アセン誘導体の合成と性質」
 小林 健二 先生(静岡大学理学部化学科教授)

15:30〜16:00
「Mg2Siの高温高圧合成による構造物性と熱電特性」
 森 嘉久(理学部基礎理学科教授)

16:00〜17:00
「有機ELの中身を探る:NMR・量子化学計算からのアプローチとデバイス創製」
 梶 弘典 先生(京都大学化学研究所教授)

閉会の辞
平成22年度第2回グリーン元素講演会
日時 2011年1月19日(水)13:15〜14:45
場所 15号館2階21522講義室

講演者  伊藤 民武 先生
     (産業技術総合研究所・健康工学研究センター・生体ナノ計測チーム 主任研究員)
題目  「表面増強ラマン分光の基礎とその進展」
講演要旨:
 ラマン分光法は蛍光法と比較して分子の同定と構造変化の検出に威力を発揮す る。しかし、蛍光法よりも測定感度が10桁以上小さい。この小さい感度を蛍光法 レベルの感度に近づけるために表面増強ラマン散乱(SERS)に着目する。
 しかし現状、SERSは高感度な分子センサとして活用されていない。その原因を 解消してSERSを分子センサとして実用化するための道筋をつけることを目指して いる。それに必要な研究を、基礎から応用まで幅広く行われている。
 これまで、主としてコロイド法により調製した銀ナノ粒子を用いてSERS増強メ カニズムを検証されてきている。具体的には、同一のナノ粒子会合体を用いて SERSスペクトルと局在表面プラズモン(LSP)共鳴弾性散乱スペクトルの偏光特 性などを測定して、表面増強ラマンの発現機構を実験と理論の両面から明らかに してきている。本講演では、表面増強ラマン分光の基礎から最近の成果を含めて 紹介する。
 伊藤博士は、単一分子分光とその生体ナノ計測への応用の分野でご活躍されてい ます。学部生、大学院生、教員の来聴を歓迎いたします。
第3回岡山理科大学グリーン元素科学シンポジウム
ミニシンポジウム −有機ホウ素化合物の化学− (鈴木章先生ノーベル賞受賞関連企画)
日時 2010年12月10日(金)15:00〜17:40
会場 岡山理科大学15号館4階会議室

ポスター(PDF)

プログラム

15:00〜15:30
趣旨説明
「有機ホウ素化合物の構造と立体化学」
 豊田 真司 教授(岡山理科大学理学部化学科)

15:30〜16:30
「不活性炭素結合と有機ホウ素化合物とのクロスカップリング反応」
 垣内 史敏 教授(慶応義塾大学理工学部)

16:40〜17:40
「マテリアルを指向した有機ホウ素化学」
 山口 茂弘 教授(名古屋大学大学院理学研究科)
第7回グリーン元素談話会
日時 2010年10月15日(金)16:30〜 (講演時間 各演題 25〜30分程度)
場所 21531教室

プログラム
一般講演(話題提供)
窪木 厚人(理学部・生物化学科)
「酵素を用いたケイ素中心不斉を有する化合物の合成」
松浦 信康(理学部・臨床生命科学科)
「タンパク質糖化反応阻害物質の探索」

講演要旨

窪木 厚人(理学部・生物化学科)

【酵素を用いたケイ素中心不斉を有する化合物の合成】
鉱物の主要構成要素であるケイ素が、生物を構成する炭素と直接結合した構造をもつ有機ケイ素化合物は、有機合成化学において種々の変換反応や保護基などに利用される有用な化合物群である。一方、有機化学において不斉中心といえば一般に不斉を有する炭素を指すことが多いが、ケイ素も炭素と同族元素であることから不斉中心となりえる。近年、このことに着目したケイ素中心不斉を有する有機ケイ素化合物の合成およびその利用法の開発について関心が高まっている。
今回、そのような化合物を合成するにあたり、環境に対する負荷の低い酵素(生体触媒)を利用する方法の開発を目的とした研究の現状と展望について報告する。

松浦 信康(理学部・臨床生命科学科)

【タンパク質糖化反応阻害物質の探索】
タンパク質糖化反応はタンパク質中のアミノ基とグルコースを始めとする還元糖のアルデヒド基から開始される非酵素的化学反応である。近年、高血糖状態にさらされている糖尿病患者生体内において本反応が顕著に進行し、タンパク質糖化反応最終生成物が蓄積することにより糖尿病合併症を引き起こすことがあきらかにされてきた。すなわち本反応の阻害剤は、糖尿病合併症治療薬もしくは予防薬となりうる。そこで我々の研究室では、天然資源よりタンパク質糖化反応阻害物質の探索およびその作用機構について解明することにより、新規糖尿病合併症治療薬開発を行っている。今回は、オオバコ種子より得られた活性物質plantagosideについて紹介する。
平成22年度第1回グリーン元素講演会
日時 2010年10月22日(金)15:30〜
場所 22号館2階会議室

講演者 Prof. Frank-Gerrit Klaener (University of Duisburg-Essen, Germany)
題目 “Recent Progress in the Chemistry of Molecular Clips and Tweezers”
要旨
Molecular tweezers and clips form stable host-guest complexes with various electron-deficient aromatic and aliphatic guest molecules. This can be explained by their negative electrostatic potential surface (EPS) inside their cavities. Water-soluble tweezers and clips bind basic amino acids (lysine and arginine) or enzyme cofactors (NAD(P)+, TPP, and SAM). They have a strong influence on various enzymatic reactions.

Review: F.-G. Klaener, T. Schrader, J. Polkowska, F. Bastkowski, P. Talbiersky, M. Campana Kuchenbrandt, T. Schaller, H. de Groot, and M. Kirsch, Effect of molecular clips and tweezers on enzymatic reactions by binding coenzymes and basic amino acids, Pure Appl. Chem. 2010, 82, doi:10.1351.
第6回グリーン元素談話会
日時 2010年7月23日(金)16:00〜17:15 (講演時間 各演題 30分程度)
場所 21531教室

プログラム
一般講演(話題提供)
横山 崇(理学部・化学科)
「硫酸イオンセンサーの開発」
赤司 治夫(自然科学研究所)
「遷移金属カルコゲニド錯体を利用したハイブリッド材料の創出」

講演要旨

横山 崇(理学部・化学科)

【硫酸イオンセンサーの開発】
硫酸イオンは、アルミメッキを行う場合の硫酸濃度のコントロールを行うためや、雨、温泉、河川、湖沼、海洋などの水質評価を行うためにモニタリングされるイオンの1つであり、イオンクロマトグラフ法(IC)を用いて測定されることが多い。しかし、ICでは試料をサンプリングすることが必要であり、連続モニタリングするにはサンプリングする手間がかかる。サンプリングを省くにはセンサーを用いることが便利であり、硫酸イオンセンサーがいくつか開発されている。しかし、作製コスト、安定性、耐久性などに問題があり、未だ市販されるには至っていない。
今回は、フローインジェクション分析法を用いた廉価な硫酸イオンセンサー開発の研究概要について紹介する。

赤司 治夫(自然科学研究所)

【遷移金属カルコゲニド錯体を利用したハイブリッド材料の創出】
我々は、金属―硫黄結合を骨格内に多く含んだMo3MS4骨格(M= Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Zn、Mo、Rh、Pd、Cd、In、Sn、Sb、Ir、Pt、Hgなど)をもつ混合金属スルフィド錯体の合理的合成法を確立してきた。これらの錯体と、目的にあった性質をもつ有機化合物を組み合わせることによって、新しい機能性をもった混合金属カルコゲニド錯体を合成することを目指して研究を行っている。例えば、Mo3PdS4骨格をもつ錯体は、有機合成における分子内環化反応のすぐれた触媒になる。これらの混合金属スルフィド錯体の配位子の特性が、その錯体の性質に与える影響を、特に錯体の酸化還元挙動に注目しながら検討した。
新規ハイブリッド材料としての混合金属カルコゲニド錯体の開発を目標とした研究の現状と展望について報告する。
第5回グリーン元素談話会
日時 2010年5月14日(金)16:45〜 (講演時間 各演題 25〜30分程度)
場所 21522教室

プログラム
一般講演(話題提供)
林 謙一郎(理学部・生物化学科)
「植物のジテルペン生合成系の進化」
折田 明浩(工学部・バイオ・応用化学科)
「ベンゼン環上をフッ素で置換したフェニレンエチニレンの合成と有機材料への応用」

講演要旨

林 謙一郎(理学部・生物化学科)

【植物のジテルペン生合成系の進化】
高等植物は、2次代謝産物としてジテルペン化合物を生合成。蓄積する。このジテルペン化合物には、タキソールなどの抗腫瘍物質から、植物ホルモンのジベレリンまで多様な炭素骨格と生理活性が知られている。陸上植物は、藻類から蘚苔類・シダ類を経てか高等植物である被子植物へと進化したと考えられている。これら多様なジテルペンの生合成を高等植物は、どのようにして獲得してきたのか?今回、蘚苔類、シダ類のジテルペン合成酵素遺伝子のクローニングと機能解析に成功したので、それら下等植物からの高等植物へのジテルペン合成系の進化と機能の獲得について紹介する。

折田 明浩(工学部・バイオ・応用化学科)

【ベンゼン環上をフッ素で置換したフェニレンエチニレンの合成と有機材料への応用】
近年様々なπ共役系有機化合物が、有機EL発光材や有機半導体として利用されている。これまでに高い移動度を示すホール輸送材料が数多く報告されている一方で、電子輸送材の開発は大きく立ち遅れている。このような背景から、我々はフェニレンエチニレンのベンゼン環上をフッ素で置換し、HOMOとLUMOのレベルを下げることで電子輸送材の開発を試みた。様々なフッ素置換パターンの誘導体を合成し、電気化学的に還元電位を測定したところ、我々が予想したとおりフッ素の置換数が増加するにつれて、還元電位が上昇することが分かった。本発表では、フッ素置換フェニレンエチニレンの合成と電気化学的特性および光物性について述べる。
第2回岡山理科大学グリーン元素科学シンポジウム
日時 2010年2月12日(金)9:00〜17:00
会場 岡山理科大学15号館4階会議室

ポスター(PDF)

プログラム

開会の辞 9:00〜9:10 森重 國光(事業代表者)

講演

9:10〜10:10
「鉄触媒による精密炭素ー炭素結合生成反応」
 中村 正治 先生(京都大学化学研究所 附属元素科学国際研究センター教授)

10:10〜10:50
「有機・無機ナノ組織体の調製とそのキャラクタリゼーション」
 竹崎 誠(岡山理科大学工学部 バイオ・応用化学科准教授)

11:00〜12:00
「機能性有機色素材料の開発研究〜高性能な有機色素太陽電池を目指して〜」
 甲村 長利 先生(産業技術総合研究所光技術研究部門 分子薄膜グループ
  筑波大学大学院数理物質科学研究科連携大学院准教授 兼任)

13:30〜14:10
「天然資源から生活習慣病予防薬開発を目指して」
 松浦 信康(岡山理科大学理学部 臨床生命科学科准教授)
   
14:10〜15:10
「植物における共生と寄生そして形態形成を司るストリゴラクトン」
 秋山 康紀 先生(大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科准教授)

15:20〜16:00
「シリカおよび炭素多孔体の細孔形状制御と細孔内の相転移」
 森重 国光(岡山理科大学理学部 化学科教授)

16:00〜17:00
「シリサイド半導体が拓く資源・環境リスク対応機能デバイス」
 鵜殿 治彦 先生(茨城大学工学部 電気電子工学科准教授)

閉会の辞
第4回グリーン元素談話会
日時 2010年1月18日(月)16:00〜17:50
場所 21522教室

プログラム

一般講演(話題提供)
横山 崇(理学部・化学科)
「新機能性分析試薬の開発」
若松 寛(理学部・化学科)
「有機スズ化合物とCO2の反応−計算化学による反応機構の解明」
山田 真路(理学部・化学科)
「生物資源を用いた環境浄化剤の開発」

講演要旨

横山 崇(理学部・化学科)

【新機能性分析試薬の開発】
汎用性元素により新機能性をもった分析試薬を開発するためには、その分析試薬を利用する分析機器または分析法が正確で、再現性のよいものが必要である。そこで、これらの条件を満たす流れ分析法であるフローインジェクション分析法(FIA)、液体クロマトグラフ法(LC)、キャピラリー電気泳動法(CE)を用いて、新規に合成したもしくは従来からある汎用性元素からなる分析試薬の新機能性を検討している。今回は、FIA、LC、CEによる新機能性分析試薬の開発の研究の概要および新規合成分析試薬を用いたLCによる新機能性の発現について紹介する。

若松 寛(理学部・化学科)

【有機スズ化合物とCO2の反応−計算化学による反応機構の解明】
工業原料として重要な炭酸ジメチル(DMC)は形式的には二酸化炭素とメタノールの縮合反応で得られるが、効率の良い直接的な反応は未だ見出されていない。有機スズアルコキシドは容易に二酸化炭素と反応して炭酸ジアルキルとジスタノキサンを与えるため、非触媒的という欠点は残っているがこの方法は二酸化炭素を原料とするDMC合成法として有望である。有機スズ化合物の触媒作用についての知見を得る目的で、今回、ジメチルスズジメトキシドと二酸化炭素から炭酸ジメチルを生成する反応機構を密度汎関数法を用いて理論的に検討したので紹介する。

山田 真路(理学部・化学科)

【生物資源を用いた環境浄化剤の開発】
資源の少ない日本において新しい資源の探索は重要な事柄の1つである。そこで、我々は、未使用生物資源として生体高分子に注目し、これら生体高分子の新規な材料化を試みている。特に、本プロジェクトにおいては、サケ白子由来DNAに注目し、DNAを遺伝子という側面でなく、高分子材料という側面からアプローチしている。今回はサケ白子由来DNAと無機物からなるDNA-無機ハイブリッド体を用いた環境浄化剤につて紹介する。また、DNAを用いたバイオマテリアル(人工scaffold)の作製についても紹介する予定である。
第3回グリーン元素講演会
日時 2009年12月11日(金)15:00〜
場所 22号館2階会議室

講演者  Professor Janine Cossy (ESPCI, France)
題目 “Natural products: a good source of inspiration for the development of methodologies”
第2回グリーン元素講演会
日時 2009年11月17日(火)15:00〜
場所 22号館2階会議室

講演者  Professor Thomas Wirth (Cardiff University, UK)
題目 “New Concepts for Catalysis in Modern Synthesis”
第3回グリーン元素談話会
日時 2009年10月29日(木)15:30〜17:30
場所 21522教室

プログラム

一般講演(話題提供)
財部 健一(理学部・基礎理学科)
「窒化炭素の可能性」
森 嘉久(理学部・基礎理学科)
「放射光を利用したシリサイド系機能性材料の高温高圧合成」
米田 稔(理学部・応用物理学科)
「ハイブリッド型半導体の創出と特性評価」

講演要旨

財部 健一(理学部・基礎理学科)

【窒化炭素の可能性】
汎用元素である窒素と炭素を用いて、多様な組成比と結合様式を有する窒化炭素を合成することができ、また、バラエティーのある機能を創出させることができる。
1)特定の炭素窒素比をもつC3N4は、3次元的化学結合ネットワ−クを有し、ダイアモンドを超える硬さを持つとして注目され、興味深い。大気圧窒素プラズマ法と高温高圧を組み合わせた合成実験を紹介する。
2)ECR法によりアモルファスCNx膜(x<0.3)を作製することができる。その膜は自然色に近い白色を発しEL素子材料として興味深い。薄膜作製と評価について紹介する。

森 嘉久(理学部・基礎理学科)

【放射光を利用したシリサイド系機能性材料の高温高圧合成】
資源の少ない我が国において、ユビキタス元素を用いた新しい機能性材料を創造することは非常に重要である。我々は、シリサイド系半導体のFeSi2やMg2Siなどを対象としてそれらの新しい物性を見出すため、その高圧構造物性を調べてきた。高圧下での微細構造を決めるには強力なX線源が不可欠であり、実験は放射光施設のSPring-8やPF,ARなどでの共同利用実験を中心に行い、それらの圧力誘起構造相転移や体積弾性率、電子構造変化などを明らかにしてきた。最近では、新しい機能性物質の創造を目指して高温高圧合成実験にも取り組んでおり、それらの研究についても紹介したい。

米田 稔(理学部・応用物理学科)

【ハイブリッド型半導体の創出と特性評価】
“電子”と“スピン”の2つの自由度を活かした新しいデバイスを実現するために、半導体結晶中の一部を磁性原子で置換した希薄磁性半導体に注目が集っている。遷移金属添加酸化亜鉛(ZnO)半導体は室温以上で強磁性体になる可能性が理論的に指摘されており、高温安定な希薄磁性半導体を開発することによって、耐熱特性に優れた機能性デバイスを開発ができる。今回は、分子線エピタキシャル成長法を利用したZnOワイドギャップ半導体薄膜の成膜について紹介する。
第1回岡山理科大学グリーン元素科学シンポジウム(スター卜アップセミナー)
日時 2009年9月4日(金)13:30〜17:00
会場 岡山理科大学15号館4階会議室

ポスター(PDF)

プログラム

13:30〜13:40
 開会の辞
 学長挨拶 波田 善夫
 事業説明 森重 國光(事業代表者)

13:40〜14:40
「グリーン触媒反応の開拓」
 村橋 俊一 先生
 (岡山理科大学客員教授,大阪大学名誉教授)

14:50〜15:50
「中印発展により,諸元素不足からくるケータイ製造困難の日はくるか?」
 村井 眞二 先生
 (奈良先端科学技術大学院大学理事・副学長,
  科学技術振興機構JSTイノベーションプラザ大阪総館長,
  大阪大学名誉教授)

16:00〜17:00
「京都大学化学研究所における元素科学研究」
 時任 宣博 先生
 (京都大学化学研究所所長)

閉会の辞
第2回グリーン元素談話会
日時 2009年7月30日(木)16:00〜17:50
場所 21532教室

プログラム

一般講演(話題提供)
竹崎 誠(工学部・バイオ・応用化学科)
「金属ナノ粒子の調製(合成)とそのキャラクタリゼーション」
窪木 厚人(理学部・生物化学科)
「酵素を利用した光学活性アミンの合成」
坂根 弦太(理学部・化学科)
「1T-CdI2型層状化合物の構造と性質」

講演要旨

竹崎 誠(工学部・バイオ・応用化学科)

【金属ナノ粒子の調製(合成)とそのキャラクタリゼーション】
金属ナノ粒子はバルクの金属とは性質が異なり、特異的な光学的、触媒的性質等を持つ。なかでも貴金属ナノ粒子はその光学的性質がサイズや形状により変化するだけでなく、光電場増強効果を示す。この光電場増強効果により、蛍光やラマン散乱強度が大きく増大するため、近年分光学的応用で大きく注目を集めている。我々はアスペクト比が大きな金ナノロッドやサイズのそろった三角形板状金ナノ粒子の調製法を見出した。その光学的性質・アモルファスカーボン上での配列やその応用等について紹介する。

窪木 厚人(理学部・生物化学科)

【酵素を利用した光学活性アミンの合成】
光学活性体を合成する方法として、酵素を利用する方法が盛んに研究されている。トランスアミナーゼという酵素は、生体内においてα-ケトカルボン酸に対する面選択的な還元的アミノ化反応を触媒し、アミノ酸の生合成に利用されている。近年、本酵素は一般的なケトンも基質として受け入れられることが明らかとなった。今回、この酵素を利用した光学活性アミンの合成法およびアセトフェノンを基盤とする化合物群に対する本酵素の基質特異性について紹介する。

坂根 弦太(理学部・化学科)

【1T-CdI2型層状化合物の構造と性質】
1T-CdI2型構造をもつ層状化合物では、層内では共有結合により原子同士が強固に繋がっているのに対し、層間はvan der Waals力によって弱く結びついている。そのため層に平行な方向と垂直な方向とでは大きく異なる物性(高い異方性)を示し、さらに層間に異種の化学種を挟み込んだり (インターカレーション)、層間にずれを生じさせ非常に複雑な構造を発生させたり(積層不整構造)、層間で層を剥がしとったり (エクスフォリエーション)することが可能となる。1T-CdI2型層状化合物の構造および性質について紹介する。
第1回グリーン元素講演会
日時 2009年6月5日(金)15:00〜17:00
場所 22号館2階会議室

講演者  細見 彰 先生 (筑波大学名誉教授・京都薬科大学客員教授)
題目 「創造的研究の勧め 進め方とコツ」
第1回グリーン元素談話会
日時 2009年6月4日(木)15:30〜17:00
場所 21532教室

プログラム

グリーン元素科学プロジェクト開始にあたって(森重 國光・化学科)

一般講演(話題提供)
折田 明浩(工学部・バイオ・応用化学科)
「スルホンを出発原料に用いたアセチレン系有機材料の創製」
岩永 哲夫(理学部・化学科)
「9,9’-ビアントリルのゲル化現象とその応用」
林 謙一郎(理学部・生物化学科)
「植物ホルモンのケミカルバイオロジー」

講演要旨

折田 明浩(工学部・バイオ・応用化学科)

【スルホンを出発原料に用いたアセチレン系有機材料の創製】
アセチレン誘導体は剛直な構造と豊富なπ電子とを有することから近年、有機材料として注目を集めている。一般に芳香族アセチレンは遷移金属触媒存在下、ハロゲン化アリールと末端アセチレンを用いた薗頭カップリングによって合成される。我々は、入手が容易なスルホンとアルデヒドとを出発原料に用い、炭素−炭素結合生成反応と2種類の脱離反応を連続して行うことで簡便かつ高収率でアセチレンを合成する方法論を確立した。本講演では、本法を用いたアセチレン誘導体の合成例、および有機材料合成への応用について紹介する。

岩永 哲夫(理学部・化学科)

【9,9’-ビアントリルのゲル化現象とその応用】
9,9’-ビアントリルはホストとして多くの有機化合物と包接錯体を形成することが知られている。ホストの形成する空孔の大きさと形に応じてゲスト分子は不安定な配座をとる場合があり,例えばクロロシクロヘキサンはアキシアル体で,より配座の自由度の大きなクロロシクロヘプタンはねじれいす型の配座で固定できることが明らかになった。また,包接結晶を調製する際に,ゲル状態を経由して結晶化するという興味深い現象を見出した。水素結合など強い相互作用がほとんどない小分子同士のゲル化が観察されるのは他に例がない。今回はゲル化現象の詳細と9,9-ビアントリルを用いた研究の今後の展望について紹介する。

林 謙一郎(理学部・生物化学科)

【植物ホルモンのケミカルバイオロジー】
最初に発見された植物ホルモンであるオーキシンは、インドール3-酢酸という非常に単純な分子にも関わらず、植物の分化・成長あらゆる面の制御に関わっている。過去20年間に分子生物学の発展とともに、そのオーキシンの作用機構の生物学的な側面が明らかにされてきた。一方、オーキシンの化学については、その構造の単純さゆえ、ほとんど進展がなかった。今回、オーキシンのケミストリーと、その受容体や、ホルモン輸送機構と関連したケミカルバイオロジーについて紹介する。
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