岡山理科大学 理学部 化学科
生体高分子研究室
Okayama University of Science
Laboratory for Biopolymer
 
 
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5.
触媒機能を有した生体高分子複合体の作製

 ヘテロポリ酸の1つである12-タングストリン酸(PWA)は触媒として利用されています。しかし、PWAは水への溶解性が高いため、触媒を反応溶液と分離することが難しいという欠点を有していました。そこで、我々はPWAと多糖の一種であるキトサンを複合化することによって水不溶性のキトサン-PWA複合体を作製することに成功しました。そこで、この複合体を用い、触媒活性を評価したところ、この複合体はアリル基アルコールのエポキシ化という触媒として利用できることが確認されました。



 バイオ資源の1つであるキトサンを用いた触媒の固定化は、生体高分子の新しい利用法を提案するものであると考えられます。特に、ヘテロポリ酸には触媒としての作用だけでなくプロトン伝導性やフォトクロミズム効果を有する物質も存在することから、キトサン-PWA複合体は様々な分野へ応用できると思われます。