1 角運動量

1.1 角運動量の定義

 運動している粒子の角運動量 l は,粒子の座標ベクトルを r,粒子の運動量ベクトルを p とすると,それらのベクトルの外積 r × p で定義される。

 粒子が半径 r の円軌道上を運動している場合,l は円軌道面に垂直なベクトルとなる。さらに,等速運動ならば,l は一定である。

 単位ベクトルを ijk とし,l の成分を lxlylz とすると,以下の関係が導かれる。

(1.1.1)



(1.1.2)

(1.1.3)

Revised: 2007-07-02

一般に,空間内の点Pにおける位置ベクトル r と,Pにおけるベクトル量 a の外積 r × a をPのモーメントという。角運動量は運動量のモーメントである。

角運動量は電子の軌道運動やスピン(自転)を表す物理量であるが,ここでは電子の運動に限定せず,一般的な話をする。