1.6 角運動量の z 成分および2乗の固有関数(1)

 固有関数 ψ の角度部分 Y(θ,φ) (球面調和関数とよぶ)をさらに次のように変数分離する。

(1.6.1)

 角運動量の z 成分に関する式 (1.5.13) に (1.6.1) を代入すると,

(1.6.2)

となる。これを解くと,

(1.6.3)

となる(C は任意定数)。ここで, の周期的条件を考慮すると,

(1.6.4)

となり,m は,0, ±1, ±2, ... , ±l の整数のみを取り得ることがわかる(したがって l も整数のみ許容)。

 ψ は (1.4.1) のように規格化されている。これを利用して,(1.6.3) の C を決定することができる。

(1.4.1)

 (1.4.1) の体積素片 は直交座標では だが,極座標では

(1.6.5)

になる。ここから,RΘΦ の満たす条件 (1.6.6) 〜 (1.6.8) が導かれる。

(1.6.6)

(1.6.7)

(1.6.8)

 (1.6.3) と (1.6.8) から,

(1.6.9)

(1.6.10)

となるので,Φ は,

(1.6.11)

となる。

Revised: 2007-07-02

Euler(オイラー)の公式