1.7 角運動量の z 成分および2乗の固有関数(2)

 次に,角運動量の2乗に関する式 (1.5.12) を解く。

(1.5.12)

 (1.5.12) の Y を (1.6.1) にしたがって変数分離し整理すると,(1.7.1) のようになる。

(1.7.1)

 (1.7.1) の左辺は θ のみ,右辺は φ のみの関数になっているので,両辺は定数でなければならない。実際,右辺は前節で求めた (1.6.11) を代入すると m2 になる。従って,(1.7.1) は,

(1.7.2)

となる。(1.7.2) の解は,l が0以上の整数で l ≧ |m| のときだけ存在し,Legendre(ルジャンドル)の陪多項式 で表される(解法は省略)。

(1.7.3)

(1.7.4)

(1.7.4) において, c は任意定数である。

 (1.6.7) に従って Θ を規格化し c を求めると,

(1.7.5)

となる。

 以上をまとめると,

(1.7.6)

(1.7.7)

(1.7.8)

  (球面調和関数)

(1.7.9)

(1.7.10)

(1.7.11)

となる。ただし,(1.7.8) の R(r) は (1.6.6) の条件を満たす任意の一価連続有限な関数である。

 l が2までの具体的な Y は以下の通りである。

 
   

Revised: 2007-07-02