2 自由粒子

2.1 一次元の自由粒子

 古典的 Hamiltonian は

(2.1.1)

と表される(p は運動量)。これを

(2.1.2)

にしたがって演算子に変換すると

(2.1.3)

となるので,解くべき Schrödinger 方程式は

(2.1.4)

である。(2.1.4) を変形すると

(2.1.5)

となる。一般に,

(2.1.6)

の一般解は

(2.1.7)

なので(AB は任意定数),(2.1.5) の解は

(2.1.8)

となる。

 ところで,x → ±∞ のとき波動関数 ψ は有限でなくてはならないという要請がある。いま E < 0 と仮定すると,(2.1.8) は

(2.1.9)

であるが,(2.1.9) では,x → ±∞ において ψ → ±∞ となるため,E < 0 の仮定が誤りであることがわかる。一方,E ≥ 0 では E の値に束縛条件はないので,E は0以上の任意の値をとるという結果となる。

Revised: 2007-07-02