4.5 調和振動子の例

調和振動子の波動関数

(4.4.3)

ただし,

(4.2.8)

(4.4.4)

(4.5.1)

(4.4.6)

調和振動子のエネルギー

(4.3.11)
n ψ E
0
1
2
3
4
5

水素分子の例

古典論的ポテンシャル

 (単位 V: J,x: m)

H—H の伸縮振動の波数,振動数,角振動数



換算質量

力の定数


 

量子論パラメータ


 古典論的ポテンシャル曲線を赤の太線,量子論的エネルギーを赤の細線,波動関数を青の細線で示す。

ここでわかることは,

  1. 古典的にはエネルギー 0 で振動が止まった状態が存在するが,量子論では最低エネルギー E0 は 0 でなく,この状態は振動を有する(零点振動)。

  2. エネルギー En は離散的で,間隔は一定

  3. 波動関数 ψ の値が 0 になる点(節)は n 個で,エネルギーの増加とともに増加

  4. 平衡構造からの変位 x の平均値は,n が大きくなっても常に 0(平衡構造)

  5. n が大きくなると,波動関数 ψ の絶対値は古典的ポテンシャル曲線上で最大値をとるようになる(平衡構造からの変位の2乗 x2 の平均値は古典的ポテンシャル関数から得られる値と一致)

  6. 波動関数 ψ が古典的ポテンシャル曲線の外側にも値をもつ(トンネル効果)

Revised: 2007-07-04