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3.2 剛体回転子の Schrödinger 方程式次に量子化学的な扱いをするために,エネルギーを演算子(Hamiltonian)に置き換える。 速度と運動量の関係 (3.2.1) を考慮して,古典的運動エネルギーの式 (3.1.10) に対して (3.2.2) のような演算子変換を行うと,Hamiltonian は (3.2.3) となる(自由回転なのでポテンシャルエネルギー V は0である)。
(3.2.3) の第1項が並進運動,第2項が回転運動に対応しているが,並進運動と回転運動は互いに独立しているので,全波動関数 Ψ は X, Y, Z のみの関数 χ と x, y, z のみの関数 ψ の積とおくことができる(変数分離)。
(3.2.3) と (3.2.4) を Schödinger 方程式 (3.2.5) に代入して整理すると (3.2.6) となる。
(3.2.6) の左辺は X, Y, Z のみの式,右辺は x, y, z のみの式になっているので,(3.2.6) が常に成立するためには両辺が定数と等しくなければならない。この定数を Er とおくと,次の (3.2.7),(3.2.8) が得られる。
全エネルギー E を (3.2.9) のようにおけば, (3.2.7) は (3.2.10) となる。
(3.2.10) は並進運動についての Schödinger 方程式である。この方程式は自由粒子モデルとして解くことができる。 (3.2.8) が剛体回転子の回転運動についての Schödinger 方程式であり,次の節でこの方程式を解くことにする。 |
Revised: 2007-07-02 |