化学科では、学部から大学院までを体系的に連携させた一貫教育プログラムとして、「大学院早期進学コース」を設置しています。本コースでは、学部3年次から研究室に所属し、通常よりも早い段階で専門的な研究活動を始めることができます。 指導教員のもとで自らの研究テーマに継続的に取り組み、高度な専門知識と研究遂行力を計画的に身につけます。また、一定の学業成績基準を満たした学生は学部課程を早期に修了することができます。これにより、学部から大学院へとスムーズに進学し、短期間で密度の高い研究経験を積みながら、より深い専門理解と創造的な研究能力を育むことができます。
大学院早期進学コース」の主な特徴は次のとおりです。
→ 大学での本格的な研究活動を一足早く始めることで、自分の興味を深めながら、研究の進め方を実践的に学ぶことができます。
化学科では、2003年に学部・大学院一貫教育として「Mコース」を設置し、2011年には「Sプログラム(早期研究室配属プログラム)」、そして2020年に現在の「大学院早期進学コース」へと発展してきました。20年以上にわたり、学部と大学院を連携させた教育体制を整備し、化学分野で活躍する研究者や技術者を輩出しています。文部科学省が2026年度から全国の大学で「学部・修士5年一貫教育」制度の導入を検討(※3)している中で、この化学科の取り組みは、その先駆け的なものといえます。
※3学部・修士5年一貫教育の制度検討(文部科学省・2025月10日7日)
これまでに本コースやSプログラムを活用して早期卒業(または飛び級)・大学院進学を果たした卒業生の声を紹介します。
学部在学中に出会った先輩の記事をきっかけに、「自分も頑張りたい」と強く思うようになり、努力を重ねて学業特待生に選ばれました。大学院早期進学コースでは、3年次から有機化学研究室に所属して研究を開始し、早期卒業後に修士課程へ進学しました。現在はπ電子系化合物の合成研究に取り組み、国内外の学会で成果を発表しています。
入学当初から研究職を志望し、早期卒業による大学院進学を目指しました。大学院では、天然水中に含まれる有機物の定量に関する研究に取り組んでいます。実験の過程で得られる気づきや失敗からも多くを学び、結果を探究する姿勢を大切にしながら日々研究を重ねています。
入学時のオリエンテーションで説明を受けた早期研究室配属プログラムに興味を持ち、3年次から制度を利用して研究室に所属しました。燃料電池応用を目指した生体高分子の研究に挑戦し、飛び級制度を活用して大学院に進学しました。大学院では新たな生体高分子を利用したプロトン伝導体の研究を深く探究し、専門性を高めることができました。
化学科では、大学院早期進学コースをはじめ、意欲ある学生が早期に研究の現場に立ち、最先端の科学を探究できる環境を整えています。学部から大学院まで一貫した教育のもとで、確かな専門知識と課題解決力を備えた研究者・技術者の育成を今後も推進していきます。