アルケンへの Br2 の付加

π 錯体

ファンデルワールス半径
  C: 1.7 Å, Br: 1.85 Å

π 錯体の C–Br 距離はファンデルワールス半径の和よりも短い。

ファンデルワールス面の表示

Halonium イオン

 

 

 

軌道間相互作用(軌道間の重なりが有効になるような組み合わせを考える)

(1) C=C の π (HOMO) vs Br–Br の σ* (LUMO)
  = アルケンから Br2 へ電子供与

(2) C=C の π* (LUMO) vs Br–Br の π* (HOMO)
  = Br2 からアルケンへ逆供与



(1)


(2)

エネルギー差の小さい (1) が主たる相互作用

・C=C と Br–Br が接近
  → 新しく形成される2つの C–Br が結合的,Br–Br が反結合的になる
・(2) の相互作用があるため三員環構造が安定となる